幕末の履歴書-03-

新選組  一番隊  隊長・沖田総司

 

わざわざこんなところまでおいでいただき恐縮です。

本来なら僕から出向くべきなんでしょうが、床に伏せってもう1年半になります。不甲斐ない私をお許しください。

最近は労咳(肺結核)だけではなく認知症の症状もあり、ありもしない物まで見えてしまうことから「レビー小体型認知症」と医者に診断されました。これじゃ剣士生命も終わりですね。

あっ、あそこに大きな黒い猫が牙をむいています。すぐにでも抹殺しに行かなくちゃいけません。僕の愛刀 "菊一文字則宗" を取ってください。

ところで近藤さんはどうされています? お元気ですか。相変わらずお妾さんのところですか? 先ほどまでそこにおられたようですが? 

土方さんは郷里の日野に帰られて、薬の行商を始められたそうですね。よかった。

そう言えば芹澤さんは誰方かに惨殺されたとか風の便りに聞きましたが、お元気でしょうか。僕も間もなくそちらに逝きますので、芹澤さんに待っていてくれるようにお伝えください。

えッ、私の履歴書ですか? そこにいる黒猫に渡しといてください。

✱次回は「新選組三番隊  隊長・斎藤一